第2回ゲスト 森本麻衣子さん 元レッズレディース選手 その1

第2回ゲスト 森本麻衣子さん 元レッズレディース選手 その1 

 今回の「トーク!トーク!トーク!」は、元レッズレディース選手で、昨季引退した森本麻衣子さんに、ご登場いただきます。
 森本さんは、現役時代、ひたむきなプレーと粘り強い守備が特長の選手で、引退前の数年は、主戦場をサイドバックとしてプレーしていました。09年のリーグ優勝にも大きく貢献した選手の1人です。

 今回のインタビューでは、引退を決意した理由、次に目指す夢、レッズレディースやサポーターへの思いなどについて、うかがっています。これから3回にわたって、お送りします。

森本麻衣子さん(インタビュー取材時に撮影/10.18)

□森本麻衣子(もりもと・まいこ) プロフィール

 1983年7月25日生まれ。東京都出身。東京女子体育大学からレッズレディースの前身である、さいたまレイナスに加入。日本女子サッカーのトップリーグで7年間プレーした。粘り強い守備とひたむきなプレーが持ち味で、DFとして、サイドバックやセンターバックなどでプレーした。レッズレディースが初優勝した09年時にも活躍し、チームのタイトル獲得に貢献。昨季をもって引退し、現在は、新しい夢に向かって突き進んでいる。

高野 森本さんは、昨季、引退されました。まだ、年齢的には十分現役選手として活動できたと思います。いつごろから、考えていたのでしょうか。 

森本 引退を決めたのは、昨年の10月31日、最終節が終わった次の日ですね。私は、長野県の戸隠がすごく好きなんですが、何かがあると必ず行くんです。そのときも、最終節の日に納会みたいなものがあったんですが、お酒は飲まなかったので、そのまま朝方3時に車をぶっ飛ばして行っちゃいました(笑)。戸隠には7時前にはついて、2時間くらい歩いて、あ!と思って引退を決めて、正午くらいにこちらに帰ってきました。
 その前の8月には、務めていた会社に退職届けを出していたんですけど、それはサッカーをやめるというよりも、ちょっと仕事とサッカーの両立が身体的に厳しくて、少し環境を変えたいと考えていたんです。で、そのときは、まだサッカーは来季もやるんだろうな、と考えていました。

高野 そこからやめようと思ったきっかけは何だったんですか。

森本 基本的には直感で動いているんです(苦笑)。ただ、やっぱりチームへの貢献が年々できなくなっているというのは感じていました。それと年齢的なことを考えたときに、次にやりたいことがあったので、このままただ好きなだけで続けていくというのはどうなんだろうと考えました。もう少しできるかなとは考えつつも、次への気持ちが強くなっていって。レッズレディースやサッカーに対して、嫌になったとか、そういうのはなくて、次への気持ちが強くなったのでやめる決断をしたんだと思います。 

高野 難しくはなかったですか。

森本 いや…(苦笑)。直感に従って感じたままに動いたら、もうやめていて、今の学校に行っていて、今に至って、という感じで1年が過ぎてしまいました(笑)。

高野 選手をやめるきっかけにもなった、思い描いている次の夢はどんなものですか。

森本 一番近い目標はトレーナーで、最終的には、ある個人に対して、心身ともに良い方向に行くような施術を行えるようなものを目指しています。

 今は、その過程でいろいろな治療法、アプローチの仕方があるので、それを片っ端から学んで、最終目標に到達したいと考えています。 

高野 大枠としては、パーソナルトレーナーのようなものでしょうか。

森本 “治療家”という感じなんですけど。そういう方向に進みたいと考えています。

高野 “治療家”というのは?

森本 あくまで私の理想のイメージなんですけど、たとえばあるスポーツ選手や一般のお年寄りの方まで含めて、その人にあった治療をしていく、というものです。
 私は、いま、鍼灸・あんまマッサージ指圧の2種類の国家資格を取得する専門学校に通っていて、まずはその取得を目指しています。そういう中で、その人にあった治療を施していけるような形になれればと考えていて、ただそれは、生活習慣を変えることも必要かもしれないし、それぞれの人に目標があると思うので、その目標を達成するための手助けをしていきたいという感じです。治療というか、習い事感覚で通ってもらうのが理想というか。

高野 単なる治療というよりは、その人の人生が充実するような形でアプローチしていくようなイメージ? 

森本 そうですね。

高野 サッカー選手以外の、そうした夢はいつごろから考えていたんですか。

森本 今までサッカーをしてきた中で、私自身が治療を受けていたところがあって、その影響もあるんですけど、トレーナーというものには大学生のころから興味がありました。実際に考えたのは、やめる2年前ですから、08年からですね。
 身体を酷使してきた、痛めつけてきた中で、すごく身体の変化を感じ取るようになっていて、成長できた実感があったんです。もっといろいろ身体のことを知りたい、もっと自分でケアできることはあるんじゃないか、とか、そういう欲求もありました。

高野 自分の夢に向かって決断したというのはすばらしいことですね。

森本 ありがとうございます(笑)。

高野 森本さんは、小学3年生のころからサッカーを始めたんですよね。初めてインタビューをさせてもらったとき、そのころから、すぐに「もう私にはサッカーしかない、もう私はサッカーしかないんだ」と考えた、と言っていました。それがすごく印象に残っています。 

森本 本当にそれしかないと思っていたし、たぶん自分の実力を冷静に見るということがないまま、最後まで行ってしまったなという感じでした(笑)。どこかで、冷静に自分の実力を考えてしまったら、ここまでは来られなかったと思います(苦笑)。

高野 いつも話を聞いていて思いますけど、常に謙虚ですよね(笑)。

森本 いや、実際そうなんです。私、大学でも本当に選抜とかに縁がなかったので。ユニバが一番上で、その下に関東選抜がありますよね。さらに当時、その下に関東の東と西で選抜があったんですけど、その東にも入れなかったので(苦笑)。現実的に考えたら、本当に厳しかったんですよ。

 でも、何か揺るぎないモノが、自分の中にあったんですよ。そのまま何も周りを考えずに突き進めるだけの思いがあったというか。それで、きっとあそこまで行けたんだと思います。
<続く>
□ご意見、ご感想をお送りください。 こちらまで。
カテゴリー: インタビュー   タグ: ,   この投稿のパーマリンク

コメントは受け付けていません。