記憶力の話から、こう流れるか

「大将、前に住之江公園からJグリーンまで乗ってもらいましたな」
 (ト書き――大阪弁で)

 J-GREEN堺へは、南海本線「堺」駅から直行バスが出ており、それだとクラブハウスの真ん前まで行けるので、たいてい大荷物の俺には便利だ。
 だけど直行便は土日しか出ておらず(新年は4日の金曜日も出ていた)、全日本女子ユース選手権の最終日、7日(月)は路線バスしかない。それだと一般の乗客もいるだろうし、バス停からクラブハウスまでちょっと歩くので、贅沢して駅からタクシーに乗ったときのことだった。
 しばらく走ったと思うと、運転手さんに冒頭の言葉を掛けられてびっくりした。

 俺がJ-GREEN堺に来たのは、これが4回目。前回は昨年の7月、全日本女子ユースU15選手権だった。その前が一昨年の8月、やはり全日本女子ユースU15選手権。初めて来たのが、2010年の12月、今の高校2年生たちが中3の時の高円宮杯全日本ユースU15選手権。いずれも堺駅からではなく、たしかに地下鉄の住之江公園駅からタクシーに乗った。新幹線で新大阪経由だとその方が近い。今回は伊丹空港経由だったし、堺駅前のホテルに宿泊していたから、初めて堺駅のタクシーを利用したのだった。

 早くて半年前に1回だけ乗せた客のことを覚えていることにびっくりした。カウンター形式で顔をずっと合わせている飲み屋などと違い、タクシー運転手という職業は、そんなに客の顔を覚えているものなんだろうか。
 目的地までの約15分間、ずっとそんな話をしていた。73歳になるという、その運転手さんは一度見た客の顔はかなり覚えているそうだ。職業柄なのか、生まれつきのものなのか、ある意味うらやましい。

 去年何回か、試合の前か後に、スタジアムの周辺でサポーターに取材させてもらった。試合前は高野と手分けして、試合後にやるときは俺だけ(高野は選手の取材に回るので)。MDPにサポーターの感想として載せるためだから、ホームゲームの前のアウェイゲームで聞くことが多かった。
 考えてみたら、昔は待っていても意見など来なかったから(初めはコーナーもなかったし)、試合の後にスタジアムなり、飲み屋なりで直接話を聞いて、サポーターの感覚を身につけていたのだった。
 去年俺が聞いたのは延べで50人くらいになっただろうか。
 秋ごろになって怖かったのは、一度話を聞いた人にまた声をかけてしまうことだ。だいたい覚えているつもりだが、前回聞いたときと場所や時間帯が違うから、ひょっとしてそういう可能性もある。そこまで自分の記憶力に自信があるわけではなかったから。

 そのことを思い出して、運転手さんの記憶力にますます感心したという次第だ。

 ところで、去年そんな取材をした理由。それはMDPの最後の方に載せているサポーターの投稿が、常連ばかりになることを避けるためだ。広告もあるから丸々ではないが、4ページとたっぷりスペースをとってあるから、かなりの数の投稿を載せられる。読んでもらえばわかるが、決して常連者ばかり載せているわけではなく、毎回新しい人の投稿がいくつか載っている。しかし、入れ物(ページ)が大きいから、常連者の投稿も載せる余裕があるのだ。
 余裕があるからといって、何もスペースを埋めるために載せているわけではない。試合を前にして、MDPの読者がそれを読み、モチベーションを高めるのにふさわしい内容のものだと思うからだ。たしかに幅広い人の意見が載っていた方が良いのは間違いないが、「常連だから」という理由で外してしまうわけにはいかないのだ。

 だから、直接取材した意見はコーナーの最初の方に載っているが、常連の人たちの投稿もほとんど必ずどこかに載せてきた。だから毎回載っているからといって、「常連ばかり」と決めつけないで欲しいのだ。

 だいたい、「投稿者が同じ人ばかりでつまらない。もっといろんな人の意見が読みたい」と言う人に限って、一度も投稿してくれたことがない。

 だったら、そう言う人がまず書いて来てよ! と思うのだ。
 ということで、今年はあなたもぜひよろしく。
 って、誰が読んでんだ? これ。
(2013年1月9日)

 
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